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執筆者の写真Tomoka Naka

『はじまりの書』Tomoka Naka


作品名 「はじまり」






初めまして、書道家の中友香です。

この度、432MARKET WEB MAGAZINEにて月初の一文字を書かせて頂くことになりました。




『目標』は口や目にすることで、想像が膨らみモチベーションが上がったり。

『目標』があると、日々の生活も充実してストレスフリーに過ごせたり。




充実した月をフレッシュな気持ちで迎えられる!そんな『書』を皆様に届ける事ができればと思います。




私は、新しい事をはじめるあのワクワクドキドキする感覚が幼い頃からたまらなく好きです。

小学生の頃は新しいノートを使う度にキレイに書こうと意気込んで、よく1ページ目!はもの凄くキレイに書いたもんです。。2ページ目からは?




ん、、、ノーコメントで。(笑)




私にとっても、今年は長年の夢であった初の書道展の開催が決まった新たな挑戦を目指す"はじまり"の年でもあり、この漢字を選びました。




『一』という漢字は一本の横線から成り立つ何とも不思議な漢字です。

そして『一』を制作しはじめた頃には想像もしていなかったストーリーのある作品となったのです。




制作のスイッチが入るのは、深夜が多い。

皆が寝静まる1日の終わり、静寂、そこから私の筆は走り"はじまる"




制作から数時間が経った頃、

んん?なに?この感覚。。

あ、きた!




その瞬間言葉では言い表せない何かが降りてきたのです。




和紙に筆先がのる瞬間に詰まるような何かを感じた。なかなか筆を動かす事ができなくなり、数秒経った次の瞬間、筆が勢いよく動きだした。そして体中のエネルギーが溢れ出たのです。自分でもコントロールすることが出来ない不思議な墨飛沫に力強さを感じる何とも不思議な作品となりました。




気づけば外の景色は薄青く、1日の"はじまり"をつげる、小鳥のさえずりが私にとっては目覚まし時計。体内時計ではまだ1時間ぐらいしかたってないのに。。。降りてきた何かがスーッと抜ける瞬間

無心だったはずの全ての感覚がゆっくりと戻って来る。




お腹すいた〜

喉乾いた〜

眠た〜

腰痛っ!とか(笑)




作品に命が宿る瞬間は自分でもコントロールが出来ず、気付けば筆が動いているんです。自分でも不思議な感覚なんですよね。




これだ!と思う作品が出来上がる瞬間の制作中の記憶が無い事も多々!

なんとも不思議な現象、感覚!でもこれがたまらなく好きなんです。




物事の"はじまり"は思い通りにいく事ばかりではなく、つまずく事もありますよね。だけどその先には思いがけない発見や、時にはまだ見ぬ世界を見せてくれたり。これだからこそ新しい事にチャレンジする事ってやめられないんです♡




この作品はまさにそんな"はじまり"を墨跡が伝えているかのような、シンプルさの先に奥深い想いが込められた不思議な作品です。




これからも、そしていつまでも!

″はじまり″を大切に出来る人でありたいな。

皆様に笑顔が溢れ、幸せいっぱいの"はじまり"となりますよう、書に想いを込めて。



 


中 友香


書道家。 大阪府出身。

7歳で書道を始める。社会人として、ブライダル、アパレル業界を経験する中で、 "自分らしくいれる時間=書道と向きあっている時"であると再認識し、 正筆会師範を取得。伝統的な文化である書道をより身近な存在へと感じてもらえるよう、独自の書風で表現する。


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