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『gift wrapping #2』kakankudo

執筆者の写真: kakankudokakankudo



大切な友人へのgift wrapping。




前回の投稿の最後に、コロナ禍で会えずにいたインド人の親友と贈り物を交換したことについ

て触れました。今回はそんな友人に贈る誕生日プレゼントをひとつのストーリーに「gift wrapping」について書いていこうと思います。

(昨年親友がインドから日本にいる私のもとに送ってくれた箱いっぱいのドライローズ。中にはローズの豊かな香りに包まれたお菓子と詩も入っていました。)



友人とは4年前私が留学していたロンドンで出会いました。彼女は私と同じくファッションデザインを専攻している学生です。出会いのきっかけは彼女が乗るバス停から私が偶然朝一緒にバスに乗って一緒に登校したことでした。そんな私たちの出会い方を日本のカルチャーが大好きな友人は「少女漫画みたい!」、と言うので思い出すといつもクスッと笑ってしまいます。




そしてそんな彼女は、その場の空気をいつもロマンチックで抒情的なものにしてくれるような子です。中でも2年前に彼女が日本に来たときに一緒に居酒屋に行ったことは今でも鮮明に覚えていて、普段住んでいる東京も一緒に過ごす人が変わるとこんなに一変するのだなあと驚いたことを覚えています。海外旅行中のディナーのような感じで、なんだかうっとりするフィルターがかかっていた夜でした。





さて、1月に誕生日を迎えた彼女に何を贈ろうか... しばらく悩んだ末に贈りたいと思いついたものを少しずつ集めた「詰め合わせ」にしようと決めました。




まずは詩を書く彼女へ、日本の有名な詩人のさまざまな詩が英訳された詩集。




そして日本の染色技術 “泥染め” に興味を持つ彼女へ、泥と藍で染めたカットソー生地。





家庭用泥染めキットは奄美の金井工芸のものをBEAMSのオンラインストアで購入し、家庭用藍染めキットはアナンダのオンラインストアで購入しました。最初に泥染めをした上に藍染を重ねることを “藍泥” と呼び、何度も重ねることで濃く深い色になりますが、今回はそれぞれを一度ずつ重ねたので淡いまだら柄になりました。以前彼女は泥染め生地を使いたいと言っていたので、かわいい服を作ってもらえたり、日本の染色技術により興味を持ってもらえたら嬉しいです。





最後に、桜が好きな彼女へ、セミドライにした桜と桜のお線香、実際に撮った桜のシルエットの写真を葉書に印刷しバースデーカードに使うことにしました。





見え方を考えながら試行錯誤しながら詰め詰め... 他にも雑貨やお菓子も一緒に、開ける時のことを想像しながら底から順々に詰めていきます。緩衝材には日本の新聞を使ってみました。🗞






本をリボンでラッピングする際、どのようなリボンを使おうか悩みましたが彼女はオーガニックなものを好むかなあと思い、華やかなものではなく可憐なグリーンの紐で結び カードを添えることにしました。これであとはしっかりとガムテープを貼って送るだけです。😊




遠方や海外にいる相手に荷物を送るのは箱や梱包のことを考える必要があったり、郵便局に行く必要があったりなど手間が掛かるようにも感じます。




でも、誰かからの荷物を海外で自分の手で受け取るとき、自分が送った荷物を海外で相手が無事受け取ったとわかったときには嬉しさや安心感、達成感があります。それ以外にも、時間や距離や到着国での色々なチェックを越えて荷物が目的地に辿り着くということ、それは現実なのになぜだか非現実的に感じるような不思議なロマンもあるのです。




それは幼いころに田舎のおばあちゃんから届く荷物に感じていたノスタルジーや、サンタさんからのプレゼントにドキドキしてたような感覚かも知れません。本当だったら直接ギフトを渡したいけれど、でも送るギフトにもこんな魅力があります。





最後に、今回親友に送ることにした詩集日本の名詩、英語でおどる(著)アーサー・ビナードは私自身も購入しようと思うほど素敵な一冊でした。




詩を読むということは、感じ、共感すると同時に、行間を、または不確かさや「わからない」をそのままに受け入れるような経験なのではないかと思います。日本の詩を価値観の合う、でも国籍も言葉も異なる友人と共有できることがとても嬉しく、いつか感想を聞くのが今から楽しみです。



「自分の感受性くらい」という詩を知ってから読むようになった茨木のり子さんの詩もその詩集にあり、友人が欲しいと言っていたかぎ針で編んだパンジーを挟みました。







 



KAKAN


日本で高校を卒業後、ロンドンでファインアート、ジュエリーデザインを専攻。その後オペラや絵画に代表される歴史や芸術文化、料理にまで色彩や美意識を持つ生き方を体現するミラノでファッションデザインを学ぶ。

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Continuity is the father of success.

Everything is an experience.

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