Photography by Tsutomu Motomiya
ーまずは、お名前と簡単な職歴をお願いしますー
SOLISの野原敦美です。
大学卒業後、セレクトショップ販売員を2年経験し、ワーキングホリデーで2年間ロンドンへ渡英。
帰国後はアパレル会社（内勤）に数年勤務し、2016年から実店舗を持たずにイベント出店をベースに古着屋として活動開始しました
ーSHOP名の由来を教えてくださいー
ソリスはラテン語で太陽という意味。ラテン語は英語やヨーロッパ言語の元となる言葉で知的なイメージがあり、今では使われていない言語で神秘性も感じました。前向きな気持ちになれるお店にしたくて、私自身が前向きになれる時を考えた時に、だいたいそれは天気が良く太陽の心地よ良さを感じて。部屋の中に入る陽射しの気持ち良い朝からスタートして、今日はどんな服着ようかなぁって考える時も天気がいいと選択肢が広がって、外に出たら木漏れ日太陽に感謝することが多くて、ってゆう陽気な気持ちのイメージが反映されてます。
ーいつからお店を持ちたいと思っていたのですか。またそのきっかけを教えてくださいー
ロンドンに住んでいるときに、ヴィンテージショップやマーケットによく通うようになってからです。
定期的に行われるヴィンテージマーケットの存在はワクワクとともに大きな衝撃でした。沢山集まる出店者、ヴィンテージの家具や雑貨、服、この中から自分の好きなものを買付けできたら楽しいなと感じていました。
当時仲良くしていた周りの人達にクリエイティブな人が多くて、ものを創り出す物理的なクリエイティブさもですが、自分の好きなことやりたい道に自分の力で進んでいく精神的なクリエイティビティにも影響を受けました。日本に帰国してすぐには始めず少しアパレル企業で働きましたが、古着屋をはじめるために辞めようとしたとき、たまたまRaw Tokyoという日本には今までなかったヴィンテージマーケットが始まりました。ゼロから古着屋を始めるには良いチャンスだと感じ、どうにか出店できないかと考えていたところ知り合いの古着屋さんがRaw Tokyoの主催者の方に「出店したい子いるよ」って紹介してくれたんです。運よくRaw Tokyoに参加ができたことを機に出店型の古着屋をスタートしました。
ー買い付けのインスピレーションを教えてくださいー
心地よく着れて生活に馴染むもの、長く愛用できるものを選んでいます。ベーシックでも少しデザインのアクセントやユーモアがあったり、シンプルでも生地の肌触りがよく動きがきれいだったりと。自分が母親という立場になってからは、より一層ライフスタイルに寄り添った感覚で選ぶようになりました。
ー今後のビジョンを聞かせてくださいー
環境、人権問題に向き合うことを始めてから、私自身古着の見方が大きく変わっています。
今後の展望は山ほどあるのですが、既にスタートしている取り組みとして友人のアパレルブランド〈intuition〉と一緒に古着のリメイクプロジェクトを始めました。“circulation(循環）”をテーマに、役目を終えこのままでは廃棄に向かってしまう服やものに再びスポットライトを当てようという試みです。
その第一弾は、ヴィンテージや廃棄されるスカーフを使ってのリメイクバッグの作成。スカーフって柄や色が個性豊かで本当に豊富で可愛いんですよね。テロンとした生地感もとても好きで。元々〈intuition〉が既に販売していたバッグの型を使い、それをスカーフに替えて作っています。既に販売していたバッグは私も持っていて、メインバッグとしてもエコバッグとしても毎日のように愛用しているので、お客様にもちゃんとお勧めできるという自信がありました。6月末にはイベントを開催し、たくさんあるスカーフの中からお客様にバッグの生地となる異なる2つの柄を選んでいただくオーダー会も行いました。バッグ自体はシンプルな作りですが、自分で選んだ生地が製品になることで愛着を持って使っていただけたらと思っています。バッグの他にも、シャツやワンピースなど少しずつリメイク制作は増やしていこうと考えています。
ー最後に432MARKETとはー
一人一人を見ると個性の豊かさが際立ちますが、それぞれに類似点もちゃんとあって全体で見るとグラデーションのように少しずつ重なりバランスが良いなぁと思います。私たちが仲がいいという距離感の近さがあり、イベント開催時はアットホームな雰囲気に包まれるのが魅力です。
Interview with
Azusa ito
