ーまずは、お名前と簡単な職歴をお願いしますー
Pelicanの及川さやかです。
ファッションの専門学校を卒業後、新卒でアパレル企業に入社。
販売を1年経験後、デザイナー職に就き、最終的にはディレクターや小物のデザイン企画などさまざまな経験を積ませていただきました。あまりにも型数が多いブランドでしたので、作る物のクオリティやサイクル,物の作り方に疑問を抱き、28歳で退職しました。
その後フリーランスデザイナーとして大手企業のプロジェクトに関わらせていただきながら
中目黒のメンズ古着、高円寺のユーロ古着店で働き、ビンテージの知識や古着屋運営のいろいろをを学ばせていただきました。
結婚したのを機に働き方やこれからの人生を見つめ直し、
子供を産んだ後にも自分の活動の基盤となるようなものを築きたいと思い、2017年にpelicanを立ち上げました。
ーshopの名前の由来を教えてくださいー
カッコ良すぎないワードがいいなと思っていました。アラレちゃんのペンギン村 じゃないですけどちょっとお茶目な響きも好きで。覚えやすくて、古いようなだけれど口に出したり字にすると洒落たようにも感じるものがいいなと色々考えて。たまたまその時目にした、ペリカンは子供にとても愛情を注ぐ云々という伝記のような文章を見て、子育てをしながら運営する事を前提としていたこともありピンと来てそれに決めました。
ーいつからお店を持ちたい思っていたのですか、またそのきっかけを教えてくださいー
子供の頃から掘り出し物を見つけるのが好きだったんです。
近所のリサイクルショップの片隅の数百円で売られてるワゴンの中からこれイイ!と思うものを見つけてはお小遣いで買って、ちょっと上乗せして祖母に売ったりしてました。笑
祖母がまたすごく喜んで褒めてくれたので嬉しくて。
ティーンエイジャーの頃はテンガロンハットを被って(笑)原宿に繰り出し古着屋ハシゴして、社会人になってデザイナーをしながらも掘り出し物探しが楽しくて、昼休みに走ってまで古着屋に行ってました。
それどこで買ったの?って言われるのが楽しくて仕方なかったんです。
なのでなんとなく漠然と、いつか自分はこの人生のどこかで古着屋をやるのだろうとずっと思っていました。
会社員を辞めて引っ越しした時に思いきり断捨離をして。手元に残した服がビンテージしかなかったんです。
その時に、古着屋で働こう、近い将来古着屋やろう。と決めました。
その後、出会って結婚した夫がたまたまアメリカ生活が長い人だったので、
買い付けなどのハードルが一気に下がり、ちょうど大きなビンテージブームが来ていた時でもあったのでまずはオンラインでやってみようと、トントンとスタートしました。
ー買い付けのインスピレーションを教えてくださいー
これといったインスピレーション源はないのですが、やっぱり服が好きなのでシーズンの立ち上がりにコレクションが発表されると一通り見ます。今年はこんな着こなししたいなとか、こんな生地、色、丈、イイなあ、こんな提案したいなあ。みたいなイメージは常に持っています。古いものなのに、今年みたいなカオをしていて、でもやっぱり現行品では出会えないようなものを常に探しています。ピックアップする時はその服だけ光って見えるので(笑)迷いません。自分自身が飽きっぽいので、売れそうだなと思っても同じようなものは買わず、なるべく常にほんのすこしの鮮度が感じるものを選ぶようにしています。
pelican立ち上げ当初は積極的にsnsで情報収集をしていたのですが、最近は遠い誰かのアウトプットよりも
自分の中から出てくる感覚、自分の生活の中で見て触れて会って聞いて感じた事を大事に提案したいと考えるようになり、必要以上に情報を探すことをしなくなりました。服は生活の中で必要とされ輝くものなので、目の前の普通の今を楽しみ、感じることを大事にしたいと思っています。
ーオンラインサイトでの販売に関して拘っていることを教えてくださいー
実際に商品を手にとって見ていただけないので、わかりやすさというのは常に意識しています。
写真はイメージや雰囲気だけに寄らないように、着こなしの提案はしつつも様々な角度からその服自体がよくわかるように注意しています。
また、写真って見る人が見たいように見る性質があると思うので、言葉での説明も重要だと考えています。
上手くもなく、まとまってもいないのですが、私自身の言葉でできるだけわかりやすく書く事を大切にしています。私の主観になってしまうのですが、そのものが持つ雰囲気とか、目に見えないようなものも伝えられたらなと思っています。
ー今後のビジョンを聞かせてくださいー
pelicanは私にとって職業というよりはライフワークに近い感覚です。今後も細く長く地道に続けていきたいです。実店舗は出さないのですかという有り難い質問を度々いただくのですが現状では予定はありません。
購入してくださったお客様から子育てが大変で大好きな買い物に行けないけれど、pelicanの更新を楽しみにしている とか古着が好きだけれど近所に店がないからオンラインが助かる などという声をたくさんいただき、
オンラインショップの可能性や必要性を強く感じています。また私自身が出産後の外出もままならない時にオンラインでの買い物にとても助けられました。popupなど実際に商品をご覧いただく機会も作りながら、オンラインでまだまだ頑張りたいと思っています。
ー最後に432MARKETとはー
pelican立ち上げてすぐにpopupのお話をくださり、その機会を与えてくれたのが432MARKETでした。
432MARKETを通して出会う人々はビンテージが好きという共通点を持ちながら、それぞれ店の形態も生活も考え方も目指すものも全く違っていてとても面白い。色々な在り方があっていいんだなあと思わせてくれます。
私にとって良い縁をくれる大切な場所です。
Interview with
Azusa Ito
Pelican Vintage
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