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執筆者の写真Atsumi Nohara

『Feel Earth, Think Fashion.#2』Atsumi Nohara


SOLIS vintageの野原です。



『Feel Earth, Think Fashion.#2』の今回は、冬の装いには欠かせないニットなどの動物性繊維について考える。ということをお話しします。


寒さが厳しくなり、ニットやアウターでウールなどを着る機会が増え、SOLISでも動物繊維のお洋服を多数扱っています。



寒さからぬくぬくと身を守ってくれて、可愛らしい見た目のルックスで気分を高めてくれる、冬のファッションには欠かせないアイテム。



機能的なメリットも多く、ウールなどは天然の抗菌作用によって菌の増殖を防いでくれ、汗の臭いを抑えてくれる防臭効果があります。



実際に、私が着たりお店で扱う古着やヴィンテージなどは、もう何十年も長い年月が経っているにも関わらず、古着特有の臭いはほとんど気になりません。



最小限の手入れでよく洗濯も多くする必要はないので、摩耗によるダメージを防ぎ、ケアを心掛ければ服自体の寿命がとても長く続きます。



穴あきなどのリペアもしやすく、長く愛用ができるサスティナブルなアイテムだと言われたりもします。



ただ動物愛護の視点から見ると、ネガティブな側面があるのも事実です。




例えば、動物繊維の代表的なウール。ミュールジングという言葉を知っていますか?



ミュールジングとは、子羊の陰部の皮膚と肉を切り取る行為です。



羊毛用に品種改良されたメリノ種は、多くの羊毛を採取するために皮膚面積が広く、全身の皮膚に深いシワがあります。そのため、臀部・陰部のシワに糞尿がたまりやすく、蛆虫が繁殖しやすいのです。それを予防するため、ミュールシングがなされますが、ミュールシングは無麻酔でおこなわれ、また傷跡の治療なども行われません。



この方法に反対してイギリスやニュージランドの羊毛生産国がミュールジングの廃止をしたり、アパレル業界でもノンミュールジングウールしか使用しないブランドも多くなってきました。



またRWS認証というResponsible Wool Standard(レスポンシブル ウール スタンダード)トレーサビリティを証明する国際的な認証基準もあります。



動物の人道的な扱いや土地や環境の健康など、飼育方法から環境配慮、製造まで全ての工程において4つの審査を受け、RWSウールと認定されます。



すでに存在する古着やヴィンテージの服を選ぶことも動物にも地球にも配慮した選択だと思っています。



前述したように、ニットなど動物繊維のお洋服は質の良さがとても長続きし、何十年も愛用できるアイテムです。



それに加えて現代には中々ないようなデザインが楽しめたり、一点ものに出会える特別感もあります。



毛皮製品とは異なり命を奪ってつくられる素材でないから良しと判断されることも多いですが、実態を知りそこから何を選ぶかはとても大切なことではないでしょうか。



ウールの他にも、カシミヤやアンゴラ、モヘアなどの獣毛もどのように飼育、生産されているか気になる方は是非調べてみてください。



きっと、何かが変わるはずです。



長くなりましたが、2022年もどうぞ宜しくお願いいたします。

皆様にとって良い一年を!






 




Atsumi Nohara (SOLIS vintage)



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